[活動報告]コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取り組みに関するアンケート調査を実施しました。

担当:蔦木伸一郎

特定非営利活動法人丹波ひとまち支援機構では、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動に取り組む、丹波市内の小中学校向けにアンケート調査を実施いたしました。ご協力いただきました、小学校、中学校、教育委員会の関係者のみなさまにお礼申し上げます。

1.アンケート実施概要


・ 実施主体:特定非営利活動法人丹波ひとまち支援機構

・ 協力:丹波市教育委員会

・ 調査の目的:
学校と地域の協働に向けて、学校と地域の連携体制、お互いの課題やビジョンの共有、学校
と地域のつながりづくりの実施状況の把握、また、それらの取り組みにおける課題を把握する
こと。

・ 実施期間:令和 5 年 7 月 22 日(土) ~ 8 月 8 日(火)

・ 調査対象:学校運営協議会が設置されている丹波市内の小学校 21 校、中学校 5 校

【小学校 21 校】
 柏原地域: 崇広小学校/新井小学校
 山南地域: 上久下小学校/久下小学校/小川小学校/和田小学校
 氷上地域: 南小学校/中央小学校/西小学校/北小学校/東小学校
 青垣地域: 青垣小学校
 市島地域: 竹田小学校/前山小学校/吉見小学校/三輪小学校
 春日地域: 春日部小学校/大路小学校/進修小学校/黒井小学校/船城小学校

【中学校 5 校】
 柏原中学校/氷上中学校/青垣中学校/市島中学校/春日中学校
 (山南中学校は、学校運営協議会を設置してないため、調査対象外)

・ 調査方法:Google フォームを活用したウェブフォームの送付・回答またはメールによる送
付・回答

・回答数:小学校21校(100%) 中学校5校(100%)

2.アンケート調査結果のポイント(アンケートから分かったこと)

※小学校、中学校ごとのアンケート調査の詳細は、下記に掲載している報告資料をご覧ください。


① 学校と地域の連携・協働の学校側の主担当は、校長・教頭に集中


② 学校と地域の連携・協働の地域側の主担当は、学校支援コーディネーターが最も多く、
地域学校協働活動推進員が最も少ない



③ 小学校には、地域のビジョンや計画が共有されているが、中学校はそうではない

小学校では、地域側からビジョンや計画について共有を受ける機会が多い傾向にあ
る。
中学校では、地域から説明を受ける機会が十分にないと考えられる。


④ 小学校では、地域活動に参加する機会が多く、中学校はより主体的な参画がある

小学校では、それぞれの小学校区において地域活動に参画する機会があることが分かった。
中学校では、小学校と比較するとより、参加するだけでなく、ボランティアスタッフや出演者
としてより主体的な関わりがあることが分かった。


⑤ 中学校よりも小学校の方が、地域との連携が進んでいると考えられ、中学校では進んでい
ない要因を検証する必要がある



⑥ 小中学校ともに、地域学校協働活動推進員の役割が学校側に十分理解されていない

教育委員会からの地域学校協働活動の意義についての説明が十分ではなく、学校と地域の
連携・協働を担うコーディネーターの役割についての説明が不十分であると考えられる。
コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進により、学校、教職員、児童・生徒、保護者、地域住民にとってどのようなメリットや効果があるのか、丁寧な説明が必要である。


⑦ 小学校の方が PTA との連携ができているという認識が高いが、できていないと感じて
いる学校もあり、どのようなことが要因なのか検証が必要である



⑧ 学校図書館の機能が不十分であり、特に「情報センター」の機能が不十分な小学校が多い

「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」の機能のすべてにおいて、「機能していない・どちらかというと機能していない」と回答した小学校は 3 校であった。「情報センター」については、7割を超える小学校が「機能していない・どちらかというと機能していない」と回答


⑨ 学校司書の配置に向けたアクションが必要

司書の配置の必要性を感じている小学校が 7 割を超えている。
学校図書館の環境整備や学校司書等の人材の配置が十分ではない。


3.アンケート調査のまとめ

※小学校、中学校ごとのアンケート調査の詳細は、下記に掲載している報告資料をご覧ください。


〇学校運営協議会での部会設置は 小学校14校(66.7%) 中学校2校(40%)

学習支援、登下校の見守り、地域交流をテーマにした部会が設置されている。一方で、効率
的な運営のためや必要性を感じないという理由で、部会を設置していない学校もあった。



〇学校運営協議会以外の場において、地域住民に対して学校運営のビジョンや基本方針を説
明・共有する機会を設けているのは、小学校 16 校(76.2%)、中学校は 3 校(60%)


学校に行くのはハードルが高いと感じる住民もおり、学校運営のビジョンや基本方針につい
て、地域住民に広く伝わっているとは言えないと考えられる(参考:丹波市が実施した「令和4年度 丹波市生涯学習活動に関するアンケート調査」によると、「地域学校協働活動という言葉を知らない」と回答した方は 74.4%)。


〇地域側から地域づくりのビジョンや計画について「説明・共有を受けたことがある」のは、
小学校 15 校(71.4%)、中学校 2 校(40%)

「ない」は、小学校 4 校(19%)、中学校 1 校(20%)
「分からない」は、小学校 2 校(9.5%)、中学校 2 校(40%)


〇学校と地域がそれぞれの課題をお互いに「把握できている」、「どちらかといえばできて
いる」のは、小学校 17 校(81%)、中学校 2 校(40%)



〇PTA 活動とコミュニティ・スクールの連携については、「できている」、「どちらかというとできている」のは、小学校 17 校(81%)、中学校が 3 校(60%)
「できていない」、「どちらかといえばできていない」のは、小学校 4 校(19%)、中学校 2 校(40%)


〇地域学校協働活動推進員の配置率は、小学校 8 校(38.1%)、中学校 1 校(20%)
(中学校の 1 校については実際には配置しているはずが、配置していないという回答あり)


〇今後、地域学校協働活動推進員を配置予定または配置したい小学校 6 校、中学校 1 校

配置されていない小学校 13 校において、「来年度以降配置の予定がある」は 1 校、「配置し
たいとは考えている」は 5 校、「現時点で配置する予定はない」は 7 校
配置されていない中学校 3 校において、「配置したいとは考えている」は1校、「現時点で配置する予定はない」は 2 校(※すでに配置している中学校は除外)


〇推進員の配置が進まない理由は、「すでに学校と地域の連携・協働ができているため」、
「良い人材が見つからないため」


配置が進まない理由としては、小学校では「すでに学校と地域の連携・協働ができているた
め」が最も多く、続いて「良い人材が見つからない」が多かった。中学校では「良い人材が見
つからない」が最も多かった。「中学校に推進員制度がない」という誤った認識に基づく回答
があり、丹波市教育委員会の施策が学校側に十分に認知されていないことが分かった。


〇児童・生徒・学校が授業以外において、地域活動に参画する地域学校協働活動がない
小学校は 2 校


小学校では、「特になし」と回答した 2 校を除いて、「地域のお祭り」、「自治振興会が主催する行事」、「親子クリーン作成」、「夏休みの学習支援、地域学習」など、それぞれの小学校区において地域活動に参画する機会があることが分かった。

中学校では、「地域のお祭りや行事でのボランティア活動」、「吹奏楽部の演奏」など、小学校と比較するとより、参加するだけでなく、ボランティアスタッフや出演者としてより主体的な関わりがあることが分かった。


〇コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の違い、コーディネーターの役割、地域学校
協働活動のメリットに関して、学校側への十分な説明ができていない

コミュニティ・スクールと地域学校協働活動一体的な推進」に関して、お悩みのこと、困って
いることや今後の推進のために必要と感じている支援や仕組みについて、自由記述方式で
伺った。

小学校では、「学校支援ボランティアの人材確保や人材発掘に関する意見」、「活動の拠点と
なる場所の確保に関する意見」、「活動費などの予算の確保に関する意見」、「連携・協働を進めるための仕組みに関する意見」が出ていた。その中には「地域学校協働活動とコミュニテ
ィ・スクールの違いが十分に理解できていない」、「学校支援コーディネーターと地域学校協
働活動推進員の役割の違いが分からない」という意見があった。

中学校では、「取り組みが始まったばかりで模索中」、「学校と地域の間で Win-Win の関係
をつくることの難しさ」感じている。また、「学校教育に地域人材を活用すること」や「幼・小・中・高校の間での連携強化」という意見があった。小学校と比較すると地域との距離が離れているという意識があり、中学生の地域での活躍や体験できる機会よりも、地域人材による
学校支援の認識の方が強い。


〇小中学校ともに学校図書館の機能が不十分である

学校図書館について、「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」の 3 つの機能について伺った。

小学校では「読書センター」、「学習センター」については「機能している」「どちらかといえば機能している」と回答する割合が多かったが、「情報センター」については「機能していない」「機能していない部分がある」と回答する割合が多かった

中学校では「読書センター」、「学習センター」の機能は、「機能している」「どちらかといえば機能している」という回答であったが、「情報センター」については「わからない」という回答があった。

「読書センター」
 「十分に機能している」  
  小学校 6 校(28.6%)  中学校 3 校(60%)

 「どちらかといえば機能している」  
  小学校 11 校(52.3%)  中学校 2 校(40%)

 「機能していない部分がある」 
  小学校 1 校(4.8%)   中学校 0 校

 「機能していない」  
  小学校 3 校(14.3%)   中学校 0 校

「学習センター」
 「十分に機能している」
  小学校 1 校(4.8%)  中学校 3 校(60%)

 「どちらかといえば機能している」
  小学校 12 校(57.1%)   中学校 2 校(40%)

 「機能していない部分がある」
  小学校 5 校(23.8%)   中学校 0 校

 「機能していない」
  小学校 3 校(14.3%)   中学校 0 校

「情報センター」
 「十分に機能している」
  小学校 0 校   中学校 1 校(20%)

 「どちらかといえば機能している」
  小学校 9 校(42.9%)   中学校 3 校(60%)

 「機能していない部分がある」
  小学校 6 校(28.6%)  中学校 0 校

 「機能していない」
  小学校 6 校(28.6%)   中学校 0 校

 「その他」
  小学校 0 校   中学校 1 校(4.8%)


〇学校司書の配置の必要性を感じている小学校が多数

「必要性を感じている」  小学校 16 校(76.2%)  中学校 2 校(40%)
「必要性を感じていない」 小学校 2 校(9.5%)   中学校 0 校
「分からない」      小学校 2 校(9.5%)   中学校 3 校(60%)

報告資料

今年度のプロジェクトの様子

今年度は8月から学校を核とした地域づくり講座を開催しています。

詳細はこちらの報告記事をご覧ください。

第1回 「丹波市では地域と学校の協働はどのように行われているの?」
報告者:地域と学校の連携・協働のコーディネーター
    足立 恵一氏(丹波市教育委員会社会教育・文化財課/社会教育主事)
    畑 英文氏(丹波市立春日部小学校 地域学校協働活動推進員)
    金川 方子氏(丹波市立船城小学校 地域学校協働活動推進員)

 https://tam-en.org/chigakukouza2023_01/


第2回 「学びと地域づくりを支える図書館の役割と地域・学校との連携」
講師:地域が元気になる図書館づくりの実践者
    嶋田 学氏(京都橘大学文学部教授/瀬戸内市民図書館もみわ広場元館長)

 https://tam-en.org/chigakukouza2023_02/

第3回 「PTA活動とコミュニティ・スクールの連携」
講師: 学校運営に保護者が参加するためのPTA改革の実践者
   今関 明子氏
   (NPO法人放課後学習ボランティア支援の会代表/
    元神戸市立本多聞中学校 PTA会長)
   福本 靖氏
   (川西市教育委員会 教育推進部 理事 教育保育推進担当/
    元神戸市立本多聞中学校 校長)

 https://tam-en.org/chigakukouza2023_03/

メディア掲載:https://tam-en.org/media230910/

昨年度のプロジェクトの様子

昨年のプロジェクトでは、7月交流会、9月、10月、11月に「学校を核とした地域づくり」講座、2月にふりかえり交流会を開催しました。

詳細はこちらの報告記事をご覧ください。

7月交流会 「丹波市立南小学校の地域学校協働活動 これまでとこれから」
報告者:打田 哲夫氏(丹波市立南小学校学校運営協議会 会長)
    籔内 大介氏(丹波市立南小学校 校長)
    松本 佳則氏(丹波市立南小学校 地域学校協働活動推進員)

 https://tam-en.org/manabipj1/

9月講座 「地域と学校の連携・協働によりもたらされる効果」
講師: 岸 裕司氏(CSマイスター/秋津コミュニティ顧問)

  https://tam-en.org/manabipj3/

10月講座 「人づくり、地域づくりのための地域と学校の協働」
講師: 福田 範史氏 (CSマイスター/鳥取県南部町教育長)

  https://tam-en.org/manabipj4/


11月講座 「”楽しく”連携・協働していくためのコツ」
講師: 西川 正氏(コミュニティ・ワーカー/真庭市立中央図書館 館長)
  https://tam-en.org/manabipj5/

2月ふりかえり交流会 「子ども大人も、学び合い、育ち合う地域になるために」

報告者:丹波市立南小学校・南小学校学校運営協議会
    丹波市立西小学校地域学校協働活動推進員
    丹波市社会委員
    丹波市教育委員会 学校教育課
    丹波市教育委員会 社会教育・文化財課
    丹波市まちづくり部 市民活動課
    特定非営利活動法人丹波ひとまち支援機構

  https://tam-en.org/manabipj7/


メディア掲載:https://tam-en.org/media220904/

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